column
会員のみなさんが自由に記事を寄稿するコーナーです。
尾方 良光私事になりますが、昭和57年に透析を始めて今年で透析歴25年になります。
当時は透析を始めれば5〜10年の命と言われたりもしましたが、医療技術の発達により延命率はどんどん延び、 今では体調(自己)管理さえ、しっかり行えば健常時に近い生活も送れるようになりました。
さて、透析を始めたばかりの当時の私は徳腎協事務局のお手伝いをさせていただきながら、周りの透析仲間に食事のこと、患者会の 必要性とか教えて頂いたものです。先日県内の病院を訪問させていただいたとき、何人かの医師の方に「今は個人情報保護法≠フこともあり 病院としても今までのようには協力を出来なくなってしまう。だからこそ、透析患者自身がお互いに声を掛け合うことが大切では…」というお話を頂きました。 今、全腎協では組織率の向上を目指しています。その為にも新しい患者さんに『徳腎協加入』の声をかける『一声運動』を展開して仲間を増やそうではありませんか。
保存期腎不全(※)の方へ
腎臓の病気は治らないという事を耳にしますが、最近は良い薬や治療法がでてきました。あきらめることはありません。たとえ治らなくても、管理のできる病気なのです。その治療の目的は、病気の進行過程で、食事制限をはじめとする生活制限やいろいろな薬剤によって、その進行を抑えることです。低下した腎臓のはたらきを元に戻すことは困難ですが、病気の進行を遅らせることは可能です。
以下私の経験談です- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 。
高校入学の春、尿検査でタンパク尿(+)プラス1の「腎炎」という結果をもらい(小中高の尿検査義務化はこの年から始まっていました。全腎協の活動に感謝です)体育は見学になり「サボれるな〜ラッキー」(^_^)vなどと思いつつ、あっという間に一年は過ぎました。しかし、地元の医院では治る兆しが見えず、高校2年の夏に専門病院へ検査入院をした同じ日に、隣のベットに緊急入院した方は「あと一日遅ければ・・・」という方で、その日のうちにシャントの手術(外シャント)・緊急透析を行い、翌日からの水分補給は薬のキャップを使い、1日中寝ているのを間近に見たとき「実はやばい病気になっているのでは」(-_-;)と初めて実感したものです。
そして、私の検査結果は「慢性腎炎だね〜」で「いつかは透析だね、10年後に始めるか30年後に始めるかは君しだい」とかるく言われたのでした。
30数年前の透析患者さんの延命率(生存5年)は言うまでもなく、外シャントを保護するため、肘から手首まで包帯をぐるぐる巻きにして、顔色は青黒い方が多く、正直「私の人生ここまで、どうせ一度の人生なら太く短く楽しく生きてやろう」、したいことをして楽しく過ごせるなら、長生きなどはしなくても構わないという処世の態度をとってしまった挙げ句に透析導入を早めてしまったのは言うまでもありません。(T_T)
今の私はこの患者会で大勢の方と出会い、まだこの世に生を許されているのですから後悔はしていませんが、やはり透析の開始時期は延ばす生活を送った方が良いかと思います。適切な治療を受けることが生命の安全を確保してくれます。治療を放棄することはとりあえず簡単なことです。しかし、症状が余りないからといって治療を中断するとかえって腎不全の進行が早まります。
決して悲観的にならずに気持ちの上で前向きに病気と向かい合っていけるよう少しでもお役に立てればと考えています。
(※)保存期腎不全とは、慢性腎不全の状態から透析療法を必要とする末期腎不全の状態に至るまでの期間をいいます。